ecforceは、単一商品のリピート購入に定評のある、大規模ECの運用に向いたプラットフォームです。他にもオペレーションの自動化や優れた広告測定機能、パーソナライズシステムなどさまざまな機能を搭載しています。大規模ECサイトにむけた高機能ECプラットフォームということもあり、初期費用がかかり、月額費用も割高です。
EC-CUBEは、コード編集を行う知識と技術があれば、比較的自由なカスタマイズが可能です。国産ECプラットフォームということもあり、代金引換や配送日時指定など、日本の商習慣に合わせた対応ができます。ダウンロード版は無料で利用できますが、本格的なECサイト構築・運用を行う場合は、それなりに予算が必要になります。数十億円以上の売上規模を目指すことも可能なECプラットフォームです。
ECプラットフォームを選定する際、まずは要件定義を行なってください。搭載する機能や目指す事業規模が定まっていればプラットフォームを選びやすくなります。
もし要件定義やECサイトの構築について悩みや疑問があれば、ぜひTUNAまでお気軽にお問い合わせください。
調査サマリー(ecforceとEC-CUBEの比較結果)
ecforceとEC-CUBEともに、大規模EC運用を行えるECプラットフォームです。
ecforceは定期購入機能が充実しており、単一商品のリピート購入に力を入れたい場合におすすめです。EC-CUBEはコーディングの技術や知識を活用して、自由度の高いECサイト構築を行いたい方に向いています。
定期購入重視の大規模ECサイトを運営したいならecforce
ecforceは、シナリオ登録によるオペレーションの自動化や、優れた広告測定機能などの搭載があり、頻繁にシステムのアップロードが行われている高機能なECプラットフォームです。中でも、定期購入関連の機能が充実しており、高く評価されています。
単一商品のリピート購入に注力した大規模ECの運用に向いています。
ある程度自由に独自性の高いECサイトの構築を行うならEC-CUBE
EC-CUBEは、ある程度自由度が高く、独自性を追求したECサイトの構築を行いたい場合におすすめです。
オープンソース型のプラットフォームとしてリリースされており、「ダウンロード版」であれば無料で利用できます。ただ、無料版を利用する場合、サーバーやドメインなど用意しなければならず、セキュリティ対策を自社で行う必要があります。有料の「クラウド版」であれば、これらのデメリットをカバーできます。
ecforceとEC-CUBEの機能面3分類12項目と費用を比較
ここからはecforceとEC-CUBEの月額料金などの費用と、機能面を3分類12項目に細分化し比べていきます。
初期費用・月額費用、決済手数料で比較
初期費用はEC-CUBEのダウンロード版のみ無料です。ただ、ダウンロード版は自社でサーバーやドメインの用意やセキュリティ対策を行わなければならず、維持費などの負担が別で発生します。クラウド版のStandardプランであれば、初期費用と月額料金がかかる代わりに、これらの負担がなくなります。
決済についてはecforce、EC-CUBEの両社ともに別途契約代行システムに契約する必要があり、手数料の金額は決済代行システムの設定次第です。
ecforceは、標準の「スタンダードプラン」、数億円規模の売り上げに対応可能な上位プランの「エキスパートプラン」、他ECプラットフォームからの移行に対応できる「移行プラン」の3つのプランで構成されています。スタンダードプランには受注件数の上限があり、1ヶ月2,000件までです。この上限を越えれば、自動的に「エキスパートプラン」に変更されます。
機能面の5項目で比較
続いて、ecforceとEC-CUBEの機能面5項目を比較していきます。
決済機能の導入しやすさ
ecforceとEC-CUBEのいずれも、決済システムは内製されていません。別で決済代行システムと契約する必要があります。選ぶ決済代行システムによって導入できる決済手段は変わります。
OMOへの対応
ecforceは、「THE [ ]STORE」というOMOサービスを三井不動産と共同開発し、提供しています。初期費用は無料となっており、東京・渋谷にある「MIYASHITA PARK」内に実店舗を出店できます。店舗での購入データはECとの連携が可能です。
EC-CUBEは、OMOに対応可能です。自由度の高さを活かしてのカスタマイズを行い、必要な機能の導入を行えば実現できるのですが、開発工数や費用がかさみます。
越境ECへの対応
ecforceが越境ECに対応しているか、調査を行ったのですが、特に対応しているかについての言及はありませんでした。
EC-CUBEは、越境ECを行う場合は、プラグインを用いることで実現できます。ただ、導入には費用がかかります。また、海外決済については契約する決済代行サービスが対応できるかによります。多言語対応版のEC-CUBEもリリースされており、コーディングの知識があれば自社でのカスタマイズも可能です。
定期購入
ecforceには、継続率の分析機能など、定期購入に関する機能が充実しており、定期購入に強みを発揮できるECプラットフォームです。
EC-CUBEは、定期購入を行う場合もプラグインを用いれば可能です。EC-CUBEペイメントが開発したものや、他の決済サービスが提供しているさまざまなプラグインがあります。
BtoB販売
ecforceでは、BtoB販売には対応していないようです。
EC-CUBEの場合は、さまざまな制作会社がEC-CUBE上でBtoB販売を行うための機能を集約した構築パッケージの提供を行っています。導入すればBtoB販売を行えます。
拡張性の3項目で比較
次に、ecforceとEC-CUBEで拡張性の3項目を比較します。
機能追加のしやすさ
ecforceには、公式からリリースされている無料・有料の機能拡張アプリが20個用意されています。必要な場合はAPIで自由に開発も可能です。
EC-CUBEは、プラグインを用いての機能追加が可能です。有料と無料合わせると1,500種類以上のプラグインがリリースされています。
外部システムとの連携
ecforceの場合は、外部システムとのAPI連携ができます。商品情報や受注情報、顧客情報などのデータを検索及び取得ができます。
EC-CUBEも、APIの連携が可能です。ただ、動作環境の条件や制約が多い印象を受けます。API連携用の「Web API」というプラグインもあります。
デザインの自由度
ecforceは、SKU(最小の管理単位)が少ない商材を取り扱うことが多く、テンプレートの数は少なめです。LPについてはコード編集によるカスタマイズができます。
EC-CUBEには、有料と無料のデザインテンプレートの提供があります。希望する要件によっては、個別カスタマイズが必要になるケースがあります。
その他4項目で比較
最後にecforceとEC-CUBEで、その他4項目を比較していきます。
売り上げ規模の変化への対応
ecforceの場合、売上規模1億円以上を目指せるECプラットフォームとなっており、売上規模の変化には随時対応ができます。ただ、初期費用・月額費用が割高のためスモールスタートには向いていません。
EC-CUBEの場合は、サーバーを別途用意することがほとんどです。売上の規模が拡大すれば、その都度サーバーの見直しが必要になります。サーバーダウンによる購入機会の損失を防止するためにも一定周期で分析や見直しを行いましょう。
ベンダーロックインのリスク
ecforceの場合、定期購入の機能が充実しており、さまざまな設定が可能です。別のECプラットフォームに乗り換える場合、定期購入の細かな設定や機能まで再現できるか懸念があります。
EC-CUBEはオープンソースであり、開発に複数のベンダーが関わる可能性もあります。開発や改修には都度工数や費用が発生します。比較的自由度の高いカスタマイズが可能な面も含め考えると、再現が難しい可能性があり、別プラットフォームへの移行はしずらくなります。
サポート品質
ecforceの問い合わせ対応は基本メールです。電話の窓口の設定はありません。「ecforceプラスサポート」というオプションを使えばチャットでのサポートを受けることが可能になります。
EC-CUBEには、サポートとして「EC-CUBEアドバイザー」が設けられています。サイト構築や運用時のマーケティング支援、パートナーやサービス選びについて相談が可能です。ユーザー同士で質問し合える「開発コミュニティ」も用意されており、さまざまな形でサポートが受けられます。
管理画面の使いやすさ
ecforceの管理画面は直感的に操作が可能で、ノーコードでフロントの画面操作もできます。
EC-CUBEの管理画面は、「構築・デザイン」「カート・会員機能」「商品管理」「店舗管理」の4つのジャンルにそれぞれの機能が集約されています。カテゴリやタグなどは、管理画面メニューからノーコードで編集・更新できます。
合計10種類のEC構築プラットフォームを比較・評価
TUNAでは、無料でダウンロードできる資料「徹底比較!ECサイトプラットフォームカオスマップ」を作成いたしました。
今回紹介したecforceとEC-CUBEを含む全10種類のプラットフォームを独自で調査し情報をまとめております。それぞれのプラットフォームの長所や短所などの特徴を確認するのに役立ちます。
資料に掲載している内容
資料内には、調査結果に基づいた10種類の代表的なECプラットフォームのカオスマップや機能比較表を掲載しています。また、各プラットフォームの特徴をまとめたページも設けております。
比較ページでは、以下の通りに機能面を3分類12項目に分け比較しています。
- 決済機能の導入しやすさ
- OMOへの対応
- 越境ECへの対応
- 定期購入
- BtoB販売
- 機能追加のしやすさ
- 外部システムとの連携
- デザインの自由度
- 売り上げ規模の変化への対応
- ベンダーロックインのリスク
- サポート品質
- 管理画面の使いやすさ
資料を通してわかること
10種類のECプラットフォームの比較を通して、各ECプラットフォームがどれくらいの事業規模に向いているのか、どのようなECサイトを構築できるかがわかります。それぞれのプラットフォームの情報ページも設けており、ECプラットフォームの情報収集や、プラットフォーム選定の判断材料として活用していただけます。
ECプラットフォーム選定時は、費用を重要視するケースが多く見られます。ただ、費用を重視するあまり、希望する機能の搭載が叶わず、思うようにECサイトの運営ができないといったケースが発生することもあります。費用を抑えることは重要ですが、それと同時に機能面もしっかりと考慮してのプラットフォーム選びが重要です。
ECプラットフォームを選ぶ前に、要件定義を行なって搭載する機能を洗い出しておくとリスクを抑えることにつながります。あわせて、ECの事業規模の目標も定めておけばプラットフォーム選定がスムーズに行えます。
今回紹介したecforceとEC-CUBEはどちらも大規模ECの運用に向いています。定期購入機能を重視したいならecforce、ある程度自由にカスタマイズできるECサイト構築にはEC-CUBEがおすすめです。
資料には10種類の代表的なECプラットフォームの情報を掲載しているので、目を通していただければ考えていなかったプラットフォームが候補にあがってくる可能性もあります。
ぜひ「徹底比較!ECサイトプラットフォームカオスマップ」をダウンロードして、ECプラットフォーム選定にご活用ください!
ecforceとEC-CUBEの比較まとめ
この記事ではecforceとEC-CUBEの2つのECプラットフォームを比較してきました。
ecforceは、単一商品のリピート購入に定評のある、大規模ECの運用に向いたプラットフォームです。他にもオペレーションの自動化や優れた広告測定機能、パーソナライズシステムなどさまざまな機能を搭載しています。大規模ECサイトにむけた高機能ECプラットフォームということもあり、初期費用がかかり、月額費用も割高です。
EC-CUBEは、コード編集を行う知識と技術があれば、比較的自由なカスタマイズが可能です。国産ECプラットフォームということもあり、代金引換や配送日時指定など、日本の商習慣に合わせた対応ができます。ダウンロード版は無料で利用できますが、本格的なECサイト構築・運用を行う場合は、それなりに予算が必要になります。数十億円以上の売上規模を目指すことも可能なECプラットフォームです。
無料でダウンロードできる「徹底比較!ECサイトプラットフォームカオスマップ」は、プラットフォーム選定に役立つよう、10種類のECプラットフォームを調査した情報を掲載しております。
ECサイトの構築やECプラットフォーム選定に関して相談を検討している場合は、ぜひTUNAまでお気軽に問い合わせください!