Shopifyでカゴ落ち対策をするには?カゴ落ちの原因と対策5選【メール設定も解説】

Shopifyでカゴ落ち対策をするには?カゴ落ちの原因と対策5選【メール設定も解説】

Shopifyのカゴ落ち対策は、送料の透明化やゲスト購入の有効化といった標準機能の設定見直しと、カゴ落ちメールの自動送信設定から始めるのが効果的です。多くの施策は追加費用なしで今日から実行できます。

Baymard Instituteの調査によると、ECサイト全体の平均カゴ落ち率は約70%とされており、Shopifyストアも例外ではありません。カゴ落ちを完全にゼロにすることは現実的ではありませんが、原因を把握して適切な対策を打てば、離脱した顧客の一定割合を回復できます。

Shopifyのカゴ落ち率と確認方法

カゴ落ちとは、訪問者が商品をカートに入れたものの、購入を完了しないまま離脱する行動を指します。ECサイト運営において避けられない課題であり、Baymard Instituteの調査では平均カゴ落ち率は70.22%に上ることが示されています。つまり、カートに商品を入れた10人のうち7人が購入せずにサイトを去っているという計算になります。

Shopifyストアでもこの傾向は同様です。ただし、対策を打つ前にまず「カゴ落ち」という言葉がどのような状態を指すのか、そしてShopifyの管理画面でどう確認できるのかを理解しておくことが重要です。

カゴ落ちとチェックアウト離脱の違い

一般的に「カゴ落ち」と呼ぶ場合、商品をカートに入れたが購入しなかった全ての行動を指します。一方、Shopifyの管理画面で「チェックアウト離脱」として記録されるのは、チェックアウト画面でメールアドレスを入力した後に離脱したケースのみです。

この違いは実務上とても重要です。Shopify標準のカゴ落ちリカバリーメールは、チェックアウト画面でメールアドレスを入力した顧客にしか送信されません。カートに商品を入れただけで離脱した顧客には届かないため、標準機能のカバー範囲は思っているより狭いと理解しておく必要があります。

Shopify管理画面でのカゴ落ち確認手順

チェックアウト離脱の状況は、Shopifyの管理画面から手順に沿って確認できます。

  1. Shopify管理画面にログインし、左メニューの「注文管理」を開きます。

  2. 「注文管理」の中から「チェックアウト離脱」を選択します。

  3. 一覧画面では、離脱した顧客のメールアドレス・カート内容・離脱日時が確認できます。

  4. 各レコードをクリックすると、対象顧客のカート内商品の詳細や合計金額も表示されます。

より詳細なファネル分析を行いたい場合は、GA4と連携してチェックアウトの各ステップでどこから離脱が起きているかを把握する方法もあります。ただし初期段階では、管理画面の確認だけでも十分な気づきが得られます。

カゴ落ちを引き起こす3つの要因

Baymard Instituteの調査では、カゴ落ちした理由として「ただ見ているだけで、まだ買う気がなかった」と答えた割合が43%に上ります。つまり、カゴ落ち全体の約4割は購入意欲そのものがなかったケースです。

裏を返せば、残りの約6割は何らかの理由で購入をやめた、つまり改善の余地がある離脱です。ここでは、購入意欲のある顧客が離脱する原因を3つのカテゴリに整理します。それぞれの具体的な対策は次のセクションで解説します。

1. 送料・追加コストの高さ

Baymard Instituteの調査で最も多い離脱理由は「送料・税金・手数料が高すぎた」で、39%の顧客がこれを理由に挙げています。

顧客がカートに商品を入れる時点では商品価格しか意識していないことが多く、チェックアウト画面で初めて送料が表示されると「思っていたより高い」という感覚を覚えます。たとえば1,500円の商品に800円の送料がかかると分かった瞬間、割高に感じて購入をやめてしまう心理です。送料が商品ページやカートの早い段階で見えていれば防げたケースも少なくありません。

2. 会員登録の強制やチェックアウトの手間

「配送にかかる日数が長すぎた」が21%、「アカウント作成を求められた」が19%、「チェックアウトのプロセスが複雑または長すぎた」が18%と、いずれもUXに関わる要因です(Baymard Institute調査)。

初めて利用するストアで会員登録を求められると、フォームへの入力が面倒で購入をやめてしまう顧客は一定数います。急いでいるときや衝動買いのタイミングでは特にその傾向が顕著です。また、住所・電話番号・支払い情報を何画面にもわたって入力させる構造は、途中で離脱するリスクを高めます。

3. 決済手段の不足とセキュリティへの不安

「クレジットカード情報のセキュリティへの不安」を理由に挙げた割合は19%です(Baymard Institute調査)。見慣れないストアでカード情報を入力することへの抵抗感は、特に新規顧客において無視できない要因です。

また、日本のEC市場では、コンビニ決済や後払い(ペイディ・NP後払い等)のニーズが高い傾向があります。クレジットカードを持っていない、またはカード番号を入力したくないという顧客にとって、希望する決済手段が用意されていないこと自体が離脱の理由になります。

今日から実践できる5つのカゴ落ち対策

ここでは、費用をかけずに今日から実行できる施策に絞って解説します。前のセクションで整理した「コスト・UX・信頼性」の3つの原因に対応する順番で紹介します。カゴ落ちメールの設定については次のセクションで詳しく扱います。

  1. 送料の透明化と無料配送ラインの設定
  2. ゲスト購入の有効化
  3. 決済手段の追加
  4. チェックアウトステップの簡略化
  5. 返品ポリシーとセキュリティ情報の明示

1. 送料の透明化と無料配送ラインの設定

カゴ落ちの最大要因(39%)が送料への不満であることを踏まえると、送料をできるだけ早い段階で顧客に伝える設計が有効です。

Shopify管理画面の「設定」→「配送と配達」から、送料の設定や条件付き無料配送ルールを追加できます。たとえば「5,000円以上で送料無料」という条件を設定し、カートページに無料配送まであと○円という表示を加えることで、顧客が追加購入を検討するきっかけにもなります。

送料無料バーの表示はShopifyのテーマによって標準対応しているものとそうでないものがあります。標準対応していない場合でも、無料のアプリを利用して追加することが可能です。まず送料条件を整理し、カートページへの表示を確認することから始めるとよいでしょう。

2. ゲスト購入の有効化

アカウント作成の強制が19%の離脱原因になっていることを考えると、ゲスト購入を有効にするだけでこの層の一部を取り込める可能性があります。

設定は管理画面の「設定」→「チェックアウト」→「お客様アカウント」から行います。「アカウントは任意」を選択すると、ゲストとしてアカウント登録なしで購入できるようになります。

また、ShopifyにはShop Loginという機能があり、Shopアプリのアカウントを持つ顧客がワンタップでログインできます。アカウント登録の手間を減らしながら顧客情報を蓄積できるため、リピーターの購入体験向上にも効果的です。

3. 決済手段の追加(Shop Pay・Amazon Pay等)

日本のEC利用者にはコンビニ決済や後払いを好む層が一定数います。クレジットカード情報の入力に抵抗がある顧客にとって、対応している決済手段の幅が購入の可否を左右することもあります。

Shopify Paymentsを有効化すると、Shop Pay・Apple Pay・Google Payが利用できるようになります。Shop Payは事前に登録した配送先・支払い情報でワンタップ購入が可能で、チェックアウトの手間を大幅に削減できます。

コンビニ決済や後払いを追加したい場合は、KOMOJUやPaidyなど国内向けの決済ゲートウェイとの連携が選択肢になります。対応している決済手段をチェックアウト画面の早い段階で表示することも、信頼感の向上につながります。

4. チェックアウトステップの簡略化

2023年にShopifyがリリースしたワンページチェックアウトは、従来複数のページに分かれていた配送先・配送方法・支払い情報の入力を1ページに集約したものです。ページ遷移のたびに発生する読み込みや入力の手間が減るため、チェックアウトの完了率向上が期待できます。

ワンページチェックアウトはShopifyの新規ストアでは標準で有効になっています。既存ストアで切り替えていない場合は、「設定」→「チェックアウト」から確認できます。

あわせて、フォームの不要な項目(会社名・電話番号の2項目目など)を非表示にする設定や、郵便番号から住所を自動入力する機能も確認しておくとよいでしょう。入力項目を減らすことで、チェックアウト途中の離脱を防ぎやすくなります。

5. 返品ポリシーとセキュリティ情報の明示

セキュリティへの不安を理由とした離脱は19%に上ります。この不安を和らげるには、信頼性を示す情報をチェックアウト付近に配置することが有効です。

Shopifyは標準でSSL証明書を提供しており、全ページがHTTPS対応されています。これをチェックアウト画面のどこかで明示するだけでも、安心感を伝えることができます。また、返品・交換ポリシーをフッターにだけ置くのではなく、カートページやチェックアウト画面の近くにリンクを設けると、購入直前の不安解消に役立ちます。

チェックアウトページへのセキュリティバッジの配置や、信頼バッジを組み込んだカスタマイズは、Shopify Plusで利用できるチェックアウト拡張機能を使うと柔軟に対応できます。自社のブランドや顧客層に合わせた構成を検討している場合は、国内上位1%のShopify PlusパートナーであるTUNAのような専門パートナーへの相談も一つの選択肢です。

カゴ落ちメールの設定と効果を上げるコツ

Klaviyoのカゴ落ちベンチマークレポート(143,000件以上のフロー分析)によると、カゴ落ちメールの開封率は50.5%、クリック率6.25%、受注率3.33%という数値が示されています。通常のメルマガと比較しても開封率が高く、購入意欲が残っている顧客に届くタイミングのよさが要因と考えられます。

まずはShopify標準のカゴ落ちメール機能の設定方法を確認したうえで、効果を上げるための文面・タイミングのポイントを解説します。

  1. Shopify標準のカゴ落ちメール設定手順
  2. 送信タイミングとメール文面のポイント

Shopify標準のカゴ落ちメール設定手順

Shopify標準のカゴ落ちメール(チェックアウト離脱メール)は、管理画面から以下の手順で設定できます。

  1. 管理画面左メニューの「マーケティング」を開きます。
  2. 「自動化」タブを選択し、「チェックアウト離脱」を見つけます。
  3. 「自動化を作成」または編集アイコンをクリックして設定画面に入ります。
  4. 送信タイミングを「1時間後」「6時間後」「10時間後」「24時間後」の中から選択します。
  5. 件名・ロゴ・テキスト・ボタンカラーをカスタマイズして保存します。

標準機能では自動送信は1回のみです。複数回のシナリオ配信は標準では対応していません。なお、管理画面の「注文管理」→「チェックアウト離脱」から特定の顧客に手動でメールを送ることも可能です。急ぎの対応が必要な場合や、個別フォローを行いたいときに活用できます。

送信タイミングとメール文面のポイント

送信タイミングについては、ソーシャルPLUSの調査で「1時間後設定のストアの平均購入率が最も高く、約30%」というデータが示されています。離脱直後の購入意欲が残っている段階に届けることが重要で、翌日まで待つと興味が薄れてしまいます。

件名は、商品名を含めつつも「今すぐ買わないと損」という過度な緊急性は出しすぎないほうが効果的です。「カートに入れた○○が待っています」のようなシンプルなパーソナライズが開封率を高めやすい傾向があります。

本文の構成は、カートに入れた商品の画像・商品名・価格を冒頭に表示し、購入に戻るCTAボタンを配置したうえで、返品ポリシーや安心できる補足情報を添えるのが基本です。割引クーポンは初回メールに入れると「値引きを待てばいい」という学習を生む可能性があるため、2通目以降に使うのが一般的です。

また、ソーシャルPLUSの調査では、LINEでのカゴ落ちリマインドはメールと比べてCVRが約7倍という結果も出ています。メールアドレスの取得が難しい顧客層や、LINE利用者が多い業態では、LINE連携アプリの活用も検討する価値があります。次のセクションで具体的なアプリを紹介します。

カゴ落ち対策を強化する3つのShopifyアプリ

Shopify標準のカゴ落ちメール機能は無料で使えますが、自動送信が1回のみ・対象がチェックアウト入力後の顧客のみという制約があります。Closer Appsのレポートによると、Shopifyストア全体の平均カゴ落ち回復率は2025年時点で約10.7%とされており、この数字をさらに引き上げるにはアプリの活用が現実的な選択肢になります。

ここでは目的別に3つのアプリを紹介します。メール自動化・LINE連携・プッシュ通知と、それぞれアプローチが異なるため、自店の顧客層や状況に合わせて選ぶことをお勧めします。

Klaviyo(メール自動化・シナリオ配信)

項目

内容

運営会社

Klaviyo, Inc.

カテゴリ

メール・SMSマーケティングプラットフォーム

主な機能

複数回自動配信、A/Bテスト、セグメント配信、SMS連携

料金

250件まで無料、以降は連絡先数に応じた従量課金(ドル建て)

管理画面

英語のみ

KlaviyoはShopifyが公式に推奨するメール・SMSマーケティングプラットフォームです。Shopify標準では1回しかできない自動配信を複数回のシナリオとして組め、「1時間後→24時間後→3日後」のような段階的なフォローアップが可能です。

顧客の購買履歴や行動データと連携したセグメント配信も強みで、初回購入者と既存顧客で内容を変えるといった細かい設定ができます。一方で、管理画面が英語のみで国内サポートも限定的なため、設定に慣れるまで時間がかかる場合があります。

Klaviyoの公式サイトはこちら

CRM PLUS on LINE(LINEカゴ落ちリマインド)

項目

内容

運営会社

株式会社ソーシャルPLUS

カテゴリ

LINE連携マーケティングツール

主な機能

LINEカゴ落ちリマインド、チェックアウトリマインド、顧客ID連携

料金

Free(チェックアウトリマインドのみ)〜、カートリマインドはStandardプラン以上

対応言語

日本語対応・日本企業運営

CRM PLUS on LINEは、ShopifyとLINE公式アカウントを連携させてカゴ落ちリマインドをLINEで送れるアプリです。前述のように、LINEでのカゴ落ちリマインドはメール比でCVRが約7倍というデータがあり、LINE利用者が多い顧客層には特に効果が期待できます。

無料プランではチェックアウト画面入力後の離脱に限られますが、StandardプランではカートへのURL追加後の離脱(メールアドレス未入力の段階)にも対応します。前提として、顧客がLINE公式アカウントと連携している必要があるため、LINE友だち数の拡大と合わせて取り組むことが重要です。日本語対応・日本企業運営という点でサポート面の安心感もあります。

CRM PLUS on LINEの公式サイトはこちら

PushOwl(Webプッシュ通知)

項目

内容

運営会社

PushOwl (Jepto Technologies Inc.)

カテゴリ

Webプッシュ通知ツール

主な機能

カゴ落ちリマインド通知、新商品・セール通知、購読者管理

料金

無料プランあり(通知数制限あり)、上位プランは月額課金

PushOwlはブラウザのプッシュ通知を使ってカゴ落ちリマインドを送るアプリです。メールアドレスやLINEアカウントの取得が不要で、サイト訪問時に通知許可を得た顧客であれば連絡できます。

メールやLINEとは異なるチャネルでリーチできるため、メールを登録していない顧客層へのアプローチとして補完的に活用するのが現実的な使い方です。無料プランから試せるため、まずコストをかけずに効果を検証したい場合に向いています。

PushOwlの公式サイトはこちら

Shopifyカゴ落ち対策まとめ

カゴ落ち対策は、段階的に進めるのが現実的です。まず費用ゼロで取り組めるのが、標準機能の設定見直しです。送料の透明化・ゲスト購入の有効化・ワンページチェックアウトへの切り替えは、今日の管理画面操作だけで完結します。

次に、カゴ落ちメールの自動送信を設定します。Shopify標準の機能で送信タイミングを1時間後に設定するだけでも、離脱した顧客の一定割合に購入を促せます。

その後、回収率をさらに高めたい段階でKlaviyoやCRM PLUS on LINE、PushOwlといったアプリの導入を検討するという順序が、投資対効果を考えると取り組みやすい進め方です。

Shopifyの設定カスタマイズやShopify Plusへの移行、チェックアウト体験の抜本的な改善を検討している場合は、国内上位1%のShopify PlusパートナーであるTUNAへの相談も選択肢の一つです。最短2ヶ月でのECサイト構築実績を持ち、ストアの状況に合わせた提案を行っています。

 

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