Shopifyの手数料は結局いくら?料金プラン別の総コストをシミュレーションで徹底解説

ShopifyでECサイトの立ち上げを検討しているけれど、料金体系が複雑で「結局、毎月いくらかかるの?」と悩んでいませんか。「どの料金プランが自社に最適なのか」「初期費用以外に、見えないコストが発生しないか」といった不安から、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
Shopifyのコスト構造は、月額の利用料だけでなく、売上に応じて変動する決済手数料や取引手数料などが絡み合うため、一見すると分かりにくいかもしれません。その結果、どんぶり勘定で事業計画を立ててしまい、後から想定外の費用に気づいて利益を圧迫してしまうケースも少なくないのです。
Shopifyの料金体系の全体像から、売上別の総コストシミュレーション、そして手数料を賢く抑える具体的な方法まで、事業計画や予算申請に必要な情報を網羅的に解説します。
この記事の結論 Shopifyの総コストは「月額プラン料」+「決済手数料」+「アプリ等の追加費用」で決まります。 |
Shopifyの利用料金と手数料は主に4種類
Shopifyの運営にかかるコストは、複雑に見えますが、大きく分けると以下の4種類に整理できます。
まずはこの全体像を掴むことで、詳細な料金体系の理解がぐっとスムーズになります。
- 月額利用料:プランごとに定められたサーバー代のような固定費。
- 決済手数料:クレジットカードなど、顧客が利用した決済手段に応じて発生する変動費。
- 取引手数料:Shopifyペイメント以外の決済方法を導入した場合にのみ発生する追加手数料。
- その他の費用:アプリやテーマなど、ストアの機能やデザインを拡張する場合にかかる費用。
この中で特に重要なのが、固定費である「月額利用料」と、売上に直結する変動費である「決済手数料」「取引手数料」です。
これらの関係性を理解することが、最適なプランを選ぶための第一歩となります。
1. Shopifyの基本となる月額利用料
Shopifyの月額利用料は、事業の規模や必要な機能に応じて選べる、いわば毎月支払うプラットフォームの利用料金です。
主に3つの料金プランが用意されており、どのプランを選ぶかによって、後述する決済手数料率も変動します。
3つの料金プラン(ベーシック・スタンダード・プレミアム)の比較
Shopifyには、主に「ベーシック」「スタンダード(Shopify)」「プレミアム(Advanced)」の3つのプランがあります。
それぞれの月額料金と主な特徴は以下の通りです。
料金は米ドル建てで設定されており、実際の支払額は決済時の為替レートによって変動します。
項目 | ベーシック | スタンダード (Shopify) | プレミアム (Advanced) |
---|---|---|---|
月額料金(月払い) | 33米ドル | 92米ドル | 399米ドル |
月額料金(年払い) | 25米ドル/月 | 69米ドル/月 | 299米ドル/月 |
特徴 | ECサイトの基本機能を網羅。まずは小さく始めたい方向け。 | ギフトカード機能や高度なレポート機能が追加。事業が軌道に乗ってきた方向け。 | 決済手数料が最安。外部サービスとの連携も可能で、本格的な事業拡大を目指す方向け。 |
ファクトチェック済みの情報によると、プレゼントなどに活用できるギフトカード機能や、プロフェッショナルレポート機能は、「スタンダード」プラン以上で利用可能です。
これらの機能が必要な場合は、ベーシックプランではなくスタンダードプラン以上を検討しましょう。
年払いなら25%割引でお得に利用可能
Shopifyの月額利用料は、月払いだけでなく年払いも選択できます。
年払いを選択すると、料金が25%割引となり、長期的に運営する場合のコストを大幅に削減できます。
例えば、ベーシックプランの場合、月払いでは年間396米ドルですが、年払いなら300米ドルとなり、96米ドルもお得になります。
事業計画が固まっており、1年以上のストア運営を見込んでいる場合は、年払いの活用がおすすめです。
2. 売上に直結するShopifyの決済手数料と取引手数料
月額利用料と並んで、Shopifyのコストを構成するもう一つの大きな要素が、売上が発生するたびにかかる手数料です。
ここで最も重要なポイントは、「Shopifyペイメント」を利用するか、外部決済サービスを利用するかで、手数料の体系が大きく変わる点です。
Shopifyペイメントを利用する場合の決済手数料
Shopifyペイメントは、追加設定不要で主要なクレジットカード決済(Visa, Mastercard, American Express, JCBなど)を導入できる、Shopify公式の決済サービスです。
これを利用する場合、かかる手数料は「決済手数料」のみです。
このShopifyの決済手数料は、選択する月額プランによって料率が異なり、上位プランほど低く設定されています。
プラン | 国内発行カードの手数料 | 海外発行カード / Amex / JCBの手数料 |
---|---|---|
ベーシック | 3.4% | 3.9% |
スタンダード (Shopify) | 3.25% | 3.85% |
プレミアム (Advanced) | 3.15% | 3.75% |
例えば、ベーシックプランで国内発行のクレジットカードで10,000円の注文があった場合、340円が決済手数料として差し引かれます。
ストアの売上が大きくなるほど、この手数料率の差が利益に与える影響も大きくなります。
外部の決済サービスを利用する場合にかかる取引手数料
もし、Shopifyペイメントを利用せず、Amazon PayやPayPay、コンビニ決済といった外部の決済サービスのみを導入する場合、注意が必要です。
この場合、各外部決済サービスが定める決済手数料に「加えて」、Shopifyに対して「取引手数料」を支払う必要があります。
この追加で発生するShopifyの取引手数料は、プランごとに以下の料率で設定されています。
- ベーシックプラン: 2.0%
- スタンダードプラン: 1.0%
- プレミアムプラン: 0.5%
つまり、外部決済サービスを利用すると「外部サービスの決済手数料」と「Shopifyの取引手数料」という二重の手数料が発生してしまうのです。
一方で、Shopifyペイメントを有効にしていれば、この取引手数料は一切かかりません(0%になります)。
そのため、特別な理由がない限りはShopifyペイメントを有効にしておくことがコスト削減の絶対条件となります。
Shopifyペイメントと外部決済は併用できる? はい、併用可能です。 Shopifyペイメントを有効にした上で、追加の決済オプションとしてAmazon PayやPayPayなどを導入することができます。 この場合、Shopifyペイメント(クレジットカード決済など)で行われた取引には、前述の取引手数料はかかりません。 取引手数料がかかるのは、あくまでAmazon PayやPayPayなど、外部決済サービスを通じて行われた取引のみです。 顧客の利便性を高めるために複数の決済手段を用意しつつ、コストを最適化することが可能です。 |
【料金プラン別】Shopifyの手数料を一覧で比較
ここまで解説してきた月額利用料と各種手数料を、プランごとに一覧表にまとめました。
この表を見れば、どのプランが自社の事業規模に合っているかを比較検討しやすくなります。
特に注目すべきは、売上が増えるほど上位プランの決済手数料の低さがメリットとして効いてくる点です。
項目 | ベーシック | スタンダード (Shopify) | プレミアム (Advanced) |
---|---|---|---|
月額料金(月払い) | 33米ドル | 92米ドル | 399米ドル |
国内カード決済手数料 (Shopifyペイメント利用時) |
3.4% | 3.25% | 3.15% |
海外カード / Amex / JCB手数料 (Shopifyペイメント利用時) |
3.9% | 3.85% | 3.75% |
取引手数料 (外部決済サービス利用時) |
2.0% | 1.0% | 0.5% |
月額料金の差と、決済手数料率の差を天秤にかけ、どの売上規模を超えたらプランをアップグレードした方が総コストを抑えられるのか、という「損益分岐点」を考えることが重要です。
次のセクションでは、具体的な売上規模を想定して、実際に総コストがどう変わるのかをシミュレーションします。
【売上別】Shopifyの総コストはいくら?料金シミュレーション
「結局、うちの店だとトータルでいくらかかるの?」という疑問に答えるため、具体的な月商を想定して、各プランで運営した場合の総コストを試算してみましょう。
ここでは、計算をシンプルにするため、すべての売上がShopifyペイメントの国内発行カード決済で行われたと仮定し、「1ドル=150円」で計算します。
計算式:総コスト = 月額利用料(円換算) + (月商 × 決済手数料率)
ケース1:月商30万円の場合の総コスト
ECサイト立ち上げ初期の売上規模を想定したケースです。
- ベーシック:4,950円 + (300,000円 × 3.4%) = 4,950円 + 10,200円 = 15,150円
- スタンダード:13,800円 + (300,000円 × 3.25%) = 13,800円 + 9,750円 = 23,550円
- プレミアム:59,850円 + (300,000円 × 3.15%) = 59,850円 + 9,450円 = 69,300円
結論:月商30万円の段階では、月額料金が安い「ベーシック」プランが最もコストを抑えられます。
ケース2:月商100万円の場合の総コスト
事業が軌道に乗り、売上が安定してきた成長期のケースです。
- ベーシック:4,950円 + (1,000,000円 × 3.4%) = 4,950円 + 34,000円 = 38,950円
- スタンダード:13,800円 + (1,000,000円 × 3.25%) = 13,800円 + 32,500円 = 46,300円
- プレミアム:59,850円 + (1,000,000円 × 3.15%) = 59,850円 + 31,500円 = 91,350円
結論:月商100万円でも、まだ「ベーシック」プランが最も経済的です。
しかし、月額料金の差と決済手数料の差が縮まってきていることがわかります。
おおよその目安として、月商が約60万円を超えると、スタンダードプランの方が総コストは安くなります。
ケース3:月商300万円の場合の総コスト
事業がさらに拡大し、本格的な収益の柱となってきた拡大期のケースです。
- ベーシック:4,950円 + (3,000,000円 × 3.4%) = 4,950円 + 102,000円 = 106,950円
- スタンダード:13,800円 + (3,000,000円 × 3.25%) = 13,800円 + 97,500円 = 111,300円
- プレミアム:59,850円 + (3,000,000円 × 3.15%) = 59,850円 + 94,500円 = 154,350円
結論:このシミュレーションではスタンダードプランが最も安価ですが、ベーシックプランとの差はわずかです。
月商が約310万円を超えたあたりから、プレミアムプランが最もコスト効率の良い選択肢に変わります。
このように、自社の売上予測に合わせてシミュレーションを行うことで、最適なプランを論理的に選択できます。
3. 見落としがちなその他の手数料・コスト(隠れコスト)
Shopifyは「初期費用0円」で始められるのが魅力ですが、本格的なストアを運営するためには、月額利用料や決済手数料以外にも考慮すべきコストが存在します。
これらを事前に把握しておくことで、予算オーバーを防ぎ、安心して事業をスタートできます。
Shopifyアプリの月額利用料
Shopifyの大きな特徴は、豊富な「Shopifyアプリ」によって機能を自由自在に拡張できる点です。
例えば、サブスクリプション機能、予約販売機能、レビュー機能などを追加できます。
これらのアプリには無料のものも多くありますが、高機能なものは月額数千円〜数万円の利用料がかかる場合があります。
自社に必要な機能を洗い出し、アプリにかかる費用も予算に含めておくことが重要です。
Shopifyテーマの購入費用
「テーマ」は、ECサイト全体のデザインテンプレートです。
Shopifyには無料のテーマも用意されていますが、よりデザイン性の高いサイトや、特定の業界に特化した機能を持つサイトを作りたい場合は、有料テーマの導入を検討することになります。
有料テーマは買い切り型で、価格は2〜4万円程度が相場です。
これは初期投資の一環として考えておくと良いでしょう。
売上金の振込手数料
ECサイトで得た売上は、最終的に自社の銀行口座に振り込まれます。
この際の振込手数料も気になるポイントですが、Shopifyペイメントを利用している場合、この振込手数料は金額にかかわらず「無料」です。
ファクトチェック済みの情報によると、日本では最低1円の売上があれば、手数料なしで指定の口座に入金されます。
これもShopifyペイメントを利用する大きなメリットの一つです。
Shopifyの手数料を賢く抑える3つの方法
ここまで解説してきたShopifyの料金体系を踏まえ、手数料を賢く抑え、利益を最大化するための具体的な方法を3つご紹介します。
これらを実践することで、無駄なコストを削減し、効率的なストア運営が可能になります。
1. 原則としてShopifyペイメントを導入する
最も簡単で効果的なコスト削減策は、Shopifyペイメントを有効にすることです。
これにより、外部決済サービス利用時に発生する0.5%〜2.0%の取引手数料が一切かからなくなります。
顧客の利便性のために他の決済方法を導入する場合でも、必ずShopifyペイメントを併用し、取引手数料が二重にかかる事態を避けましょう。
2. 年払いを活用して月額利用料を25%削減する
1年以上の長期的なストア運営を見込んでいるのであれば、月額利用料の年払いを積極的に活用しましょう。
月払いと比較して25%も固定費を削減できるため、キャッシュフローに余裕がある場合には非常に有効な選択肢です。
削減できたコストを、広告費や商品開発など、事業を成長させるための投資に回すことができます。
3. 事業規模の成長に合わせて料金プランを見直す
「一度決めたプランをずっと使い続ける」のではなく、事業の成長に合わせて定期的にプランを見直すことが重要です。
シミュレーションで示したように、売上が一定のラインを超えると、月額料金が高くても決済手数料率が低い上位プランの方が、総コストは安くなります。
自社の売上動向を常にチェックし、「損益分岐点」を超えそうになったタイミングで、プランのアップグレードを検討しましょう。
これにより、売上の増加をコスト削減に繋げるという、戦略的な運営が可能になります。
まとめ:自社の売上規模に最適な料金プランでShopifyを始めよう
Shopifyの手数料は一見複雑ですが、その構造は「月額利用料(固定費)」と「決済手数料(変動費)」の2つの軸で成り立っています。
そして、最適なプランを選ぶ鍵は、目先の月額料金だけでなく、自社の売上規模に応じた総コストで判断することです。
この記事でご紹介したポイントとシミュレーションを参考に、まずは自社の売上予測を立て、どのプランが最もコストパフォーマンスに優れているかを試算してみてください。
Shopifyには無料体験期間も用意されています。
まずは実際に管理画面を触りながら、自社に最適なプランを見つけ、自信を持ってEC事業の第一歩を踏み出しましょう。
ECサイトの構築にはECプラットフォームが欠かせません。こちらの資料では合計10社のプラットフォームの導入費用や機能について簡単に比較できるようにまとめました。
これからECサイトの構築やリプレイスを検討されているご担当者様は、こちらのボタンからECカオスマップ資料をダウンロードいただき、ぜひ比較検討にお役立てください!