ShopifyでGA4を連携するには?初期設定の方法と担当者が見るべき指標を解説します

ShopifyでGA4を連携するには?初期設定の方法と担当者が見るべき指標を解説します

Shopifyでストアを運営しているものの、「標準の分析レポートだけでは、お客様がなぜ商品を買ってくれたのか、あるいはなぜ離脱してしまったのか、具体的な動きが見えなくて改善の糸口が掴めない…」と感じていませんか。Google Analyticsが良いと聞くけれど、設定が複雑そうで手を出せずにいる、という方も多いのではないでしょうか。

旧来のユニバーサルアナリティクス(UA)からGA4へと仕様が大きく変わったこともあり、どこから情報を集め、どう設定すれば良いのか分かりにくいのが現状です。その結果、感覚に頼ったストア運営から抜け出せず、広告費の最適化やサイト改善が後回しになってしまうケースは少なくありません。

この記事では、ShopifyとGoogle Analytics 4(GA4)の連携について、専門知識がない方でも迷わず設定できるよう、公式アプリを使った最も簡単で安全な手順を解説します。さらに、連携後に必ず行うべき初期設定から、売上アップに繋がる基本的なレポートの見方まで、データに基づいたストア運営を始めるために必要な知識を網羅的にご紹介します。

この記事の結論

ShopifyとGA4の連携は、公式アプリ「Google & YouTubeチャネル」を使えば、コード編集なしで安全に設定できます。
連携後は、ユーザーが「どこから来て(流入元)」「どのページを見て(行動)」「何を買ったか(CV)」をGA4で分析できるようになります。
まずは「リアルタイムレポート」で自分のアクセスが計測されるかを確認し、設定が正しく完了しているかを検証しましょう。
Shopifyの分析は「売上や商品」の深掘りに、GA4は「集客やサイト内行動」の分析に使う、という使い分けが成功の鍵です。

なぜShopifyにGoogle Analytics(GA4)の連携が必要なのか?

「Shopifyにも分析機能があるのに、なぜわざわざGoogle Analyticsを連携させる必要があるの?」と疑問に思うかもしれません。

確かに、Shopifyの標準レポートも非常に優秀です。

しかし、両者には得意な領域があり、組み合わせることで初めて、データに基づいた本格的なストア運営が可能になります。

ここでは、ShopifyにGA4を連携させることの重要性について解説します。

Shopify標準レポートの限界とGA4で可能になること

一言でいうと、Shopifyの標準レポートは「何が売れたか(結果)」を分析するのが得意です。

一方で、GA4は「ユーザーがどのような経路でサイトを訪れ、どのように行動した結果、購入に至ったか(過程)」を分析することに長けています。

例えば、Shopifyのレポートでは「Aという商品が10個売れた」ことは分かりますが、「その10人は、どこから(例:Google検索、Instagram広告、メルマガ)来て、他にどんなページを見て、購入を決めたのか」までは詳しく分かりません。

GA4を連携することで、以下のような、より深い顧客理解に繋がる分析が可能になります。

  • どのSNSや広告、検索キーワードからお客様が来ているのか
  • お客様がサイト内でどのページをどんな順番で見ているのか
  • どのページで多くの人がサイトを離れてしまっているのか
  • PCとスマートフォン、どちらからのアクセスや購入が多いのか

このように、Shopifyアナリティクスだけでは見えなかった顧客の行動を可視化できるのが、GA4連携の最大のメリットです。

ユーザーの行動を可視化し、サイト改善に繋げる

GA4でユーザーの行動が分かると、具体的なサイト改善のアクションに繋げることができます。

例えば、「多くのユーザーが特定の商品ページを訪れているのに、購入されずに離脱している」というデータが見つかったとします。

その場合、「商品説明が不足しているのかもしれない」「写真が分かりにくいのかもしれない」「価格が高いと感じられているのかもしれない」といった仮説を立て、ページの改善に取り組むことができます。

改善後に再度データを見ることで、その施策が効果的だったのかを客観的に判断できるようになります。

広告の費用対効果を正確に測定する

Google広告やSNS広告を出稿している場合、GA4との連携は必須と言えます。

どの広告が、どれだけの売上に貢献しているのかを正確に測定できるためです。

例えば、「Instagram広告経由のユーザーはサイトをよく見てくれるが購入には繋がらず、Google検索広告経由のユーザーは直接購入してくれることが多い」といったことが分かれば、広告予算の配分を見直すことができます。

このように、感覚ではなくデータに基づいてマーケティング予算を最適化できることも、GA4を導入する大きなメリットです。

ShopifyとGA4を連携する前の準備と確認事項

ShopifyとGA4の連携設定は、公式アプリを使えばとても簡単ですが、スムーズに進めるために事前にいくつか準備しておくと良いことがあります。

設定を始める前に、以下の3つの項目を確認しておきましょう。

1. Googleアカウントの用意

Google Analyticsを利用するには、Googleアカウントが必須です。

普段お使いのGmailアドレスなどで問題ありません。

もし持っていない場合は、無料で作成できるので、事前に取得しておきましょう。

ビジネスで利用する場合は、個人用のアカウントではなく、会社用のGoogleアカウントで管理することをおすすめします。

2. GA4プロパティの作成(未作成の場合)

次に、分析データを集めるための箱となる「GA4プロパティ」を作成します。

まだ作成していない場合は、Google Analyticsの公式サイトから、画面の指示に従って新しいプロパティを作成してください。

その際に発行される「G-」から始まる「測定ID」は、後の設定で使用します。

既にGA4プロパティをお持ちの場合は、このステップは不要です。

3. Shopifyプランの確認(Plusプランの優位性)

ShopifyとGA4の基本的な連携は、Basic、Standard、Plusといった全ての料金プランで可能です。

ただし、最上位プランである「Shopify Plus」では、より高度な分析が可能になるという違いがあります。

具体的には、Shopify Plusプランではチェックアウトページのファイルを編集できるため、Googleタグマネージャー(GTM)を導入できます。

これにより、ユーザーが購入手続きのどの段階(連絡先入力、配送先入力、支払い情報入力など)で離脱したかを詳細に分析できるようになります。

まずは全プランで可能な標準連携から始め、より詳細な分析が必要になった際にPlusプランへのアップグレードを検討するのが良いでしょう。

【重要】ユニバーサルアナリティクス(UA)は終了しました

以前のバージョンのGoogle Analyticsである「ユニバーサルアナリティクス(UA)」は、2023年7月1日に新しいデータの計測を停止しました。

さらに、2024年7月1日をもって、過去のデータを含め、UAの管理画面やレポートに完全にアクセスできなくなります。

もし、まだUAしか導入していない場合は、早急に新しいGA4への移行が必要です。

この記事でご紹介するのは、最新のGA4とShopifyを連携させる公式な方法ですので、安心して設定を進めてください。

ShopifyとGA4の連携設定手順【公式アプリ版】

それでは、実際にShopifyとGA4を連携させる手順を見ていきましょう。

ここでは、Shopifyが公式に提供している「Google & YouTubeチャネル」というアプリを使用します。

この方法なら、テーマのコードを編集する必要がなく、数クリックで安全に設定を完了できます。

ステップ1:公式アプリ「Google & YouTubeチャネル」をインストールする

まず、Shopifyの管理画面にログインします。

左側のメニューから「アプリ管理」をクリックし、「アプリと販売チャネルの設定」ページを開きます。

右上の「Shopify App Store」ボタンをクリックして、アプリストアに移動してください。

検索窓に「Google & YouTubeチャネル」と入力して検索し、公式アプリを見つけます。

「インストール」ボタンをクリックして、ストアにアプリを追加しましょう。

ステップ2:Googleアカウントを連携し、GA4プロパティを選択する

アプリをインストールすると、設定画面が開きます。

画面の指示に従い、「Googleアカウントを連携」ボタンをクリックしてください。

事前に準備したGoogleアカウントを選択し、Shopifyへのアクセスを許可します。

次に、連携するGA4プロパティを選択する画面が表示されます。

リストの中から、事前に作成したご自身のストア用のGA4プロパティ(測定IDが表示されます)を選択し、「連携する」をクリックします。

これで、ShopifyとGA4の連携設定は完了です。

ステップ3:設定が正しく反映されたか確認する

設定が完了したら、データが正しく計測されているかを確認しましょう。

確認はとても簡単です。

まず、Google Analyticsの画面を開き、左側のメニューから「レポート」→「リアルタイム」を選択します。

次に、別のブラウザタブやスマートフォンで、ご自身のShopifyストアにアクセスしてみてください。

数秒〜数分後、GA4のリアルタイムレポートに「現在のアクティブユーザー」として1以上の数字が表示されれば、連携は成功です。

地図上に自分のアクセス元地域が表示されることも確認できるはずです。

GA4連携後に必ず行いたい3つの初期設定

ShopifyとGA4の連携が完了したら、安心してしまいがちですが、実はもう一息、やっておくべき重要な初期設定があります。

これを済ませておくことで、データの精度が格段に上がり、後々の分析がとても楽になります。

ここでは、プロが必ず行う3つの初期設定をご紹介します。

1. データ保持期間を「14か月」に変更する

GA4は、デフォルトの状態では、収集したユーザーの行動データを「2か月」しか保存してくれません。

これでは、去年の同じ時期と比較するなど、長期的な分析ができません

この設定は、無料で最大「14か月」まで延長できますので、必ず変更しておきましょう。

GA4の管理画面左下にある歯車マークの「管理」をクリックし、「データ設定」>「データ保持」と進みます。

「イベントデータの保持」のプルダウンを「2か月」から「14か月」に変更し、保存してください。

この設定は、変更した時点から適用されるため、連携後すぐに設定することをおすすめします。

2. 内部トラフィック(自社のアクセス)を除外する

ストアの運営者やスタッフがサイトを確認するためにアクセスしたデータも、初期設定のままではすべて計測されてしまいます。

これでは、純粋な顧客のデータなのか、関係者のデータなのかが混ざってしまい、正確な分析ができません

そこで、オフィスや自宅など、関係者がアクセスする場所のIPアドレスを登録し、計測から除外する設定を行いましょう。

GA4の「管理」画面から、「データストリーム」を選択し、自分のサイトのストリームをクリックします。

下部にある「タグ設定を行う」>「内部トラフィックの定義」と進み、ルールを作成して自社のIPアドレスを登録します。

3. クロスドメイン設定を確認する

Shopifyでは、通常の商品ページ(例:yourstore.com)と、決済時のチェックアウトページ(例:checkout.shopify.com)でドメインが異なります

ドメインが異なると、GA4は別々のユーザーとして認識してしまう可能性がありますが、公式アプリ「Google & YouTubeチャネル」で連携した場合、通常はこの設定が自動的に行われます

念のため、正しく設定されているか確認しておくと安心です。

GA4の「管理」>「データストリーム」>自分のサイトのストリーム>「タグ設定を行う」>「ドメインの設定」を開きます。

ここに、自分のストアのドメイン(yourstore.comなど)と、`shopify.com`が含まれていれば、ユーザーの行動を途切れることなく追跡できています。

まずはここから!Shopifyストアで見るべきGA4の基本レポート

GA4を導入したものの、「レポートの種類が多すぎて、どこから見ればいいのか分からない」という壁にぶつかる方は非常に多いです。

しかし、心配ありません。

まずはECサイトの分析で特に重要な3つの基本レポートに絞って見ることから始めましょう。

「集客」「行動」「成果」という3つの視点で、見るべきレポートとそのポイントを解説します。

レポート1:ユーザー獲得(どんな顧客がどこから来ているか)

まず見るべきは、「お客様がどこから来たのか」を知るためのレポートです。

GA4の左メニューから「レポート」>「ライフサイクル」>「集客」>「トラフィック獲得」を開いてください。

ここでは、「チャネル」ごとのセッション数やコンバージョン数(購入数)を確認できます。

例えば、「Organic Search(Googleなどの自然検索)」からの購入が多いのか、「Paid Social(Instagram広告など)」からの購入が多いのかが一目でわかります。

このレポートを見ることで、どの集客施策に力を入れるべきか、データに基づいた判断ができるようになります。

レポート2:エンゲージメント(人気のページやコンテンツは何か)

次に、「お客様がサイト内でどんなページを見ているのか」を把握しましょう。

左メニューから「レポート」>「ライフサイクル」>「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」を開きます。

ここでは、ページごとの表示回数や平均エンゲージメント時間(ユーザーがページをアクティブに見ていた時間)が分かります。

表示回数が多いページは、お客様の関心が高い人気のページです。

よく見られている商品ページやブログ記事を特定し、その内容をさらに充実させたり、他のページからリンクを貼ったりすることで、サイト全体の回遊性を高めるヒントが得られます。

レポート3:収益(どの商品がどんな経路で売れているか)

最後に、「どの商品が売れているのか」をGA4の視点から見てみましょう。

左メニューから「レポート」>「収益化」>「eコマース購入」を開きます。

このレポートでは、商品ごとの表示回数、カートへの追加数、そして実際に購入された数と収益を確認できます。

「表示回数は多いのに、購入されていない商品」は、商品ページに何らかの課題がある可能性があります。

逆に、「表示回数は少ないが、購入率が高い商品」は、もっと露出を増やすことで売上が伸びる可能性を秘めています。

Shopifyのレポートと合わせて見ることで、より深い商品分析が可能になります。

まとめ:ShopifyとGA4を連携してデータに基づいたストア運営を始めよう

この記事では、ShopifyとGoogle Analytics 4(GA4)を連携させるための準備から具体的な設定手順、そして連携後に行うべき初期設定と基本的なレポートの見方までを解説しました。

Shopifyの標準アナリティクスが「結果」を見るためのツールなら、GA4は売上に至るまでの「過程」を可視化し、改善のヒントを見つけるための強力なツールです。

公式アプリを使えば、ShopifyとGA4の連携設定は驚くほど簡単に行えます。

データに基づいたストア運営は、難しく考える必要はありません。

まずはこの記事を参考にデータ計測の環境を整え、基本的なレポートを眺めてみることから始めてみましょう。

お客様の行動の中に、きっとあなたのストアを成長させるためのヒントが隠されているはずです。

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