ShopifyでCSV形式で商品一括登録するには?失敗しない必須項目や画像登録の方法を解説

Shopifyの商品登録、一つひとつ手作業で入力していて「時間が足りない…」と感じていませんか。数百、数千点もの商品を扱うとなると、その作業は膨大です。いざShopifyのCSV機能で商品の一括登録を試みても、原因不明のエラーや文字化けでインポートに失敗し、かえって手間がかかってしまった、という方も多いのではないでしょうか。
ShopifyでのCSVを使った商品登録は非常に強力な機能ですが、独自のルールや見落としがちな「お作法」がいくつか存在します。特に、ファイルの文字コードや必須項目の意味を正しく理解していないと、エラーの解決だけで一日が終わってしまうことも少なくありません。多くの方がつまずくのは、この準備段階なのです。
この記事を読めば、失敗しないための正しい準備から、基本的なShopifyへの商品インポート手順、さらには色やサイズ違いのバリエーション登録、画像の一括登録といった応用テクニックまで、CSV操作の全てがわかります。もうエラーで悩むのは終わりにしましょう。
この記事の結論 Shopify公式の「サンプルCSV」をダウンロードし、編集のベースにするのが失敗しないための第一歩です。 |
Shopifyの商品登録はCSVでの一括処理が基本!3つのメリット
Shopifyで取り扱う商品数が数十点を超えてくると、手作業での商品登録は現実的ではありません。
そこで活躍するのが、CSVファイルを使った商品の一括登録機能です。
CSV(Comma Separated Values)とは、データをカンマで区切って並べたシンプルなテキストファイル形式のこと。
これを活用することで、ストア運営は劇的に効率化されます。
主なメリットは以下の3つです。
1. **圧倒的な時間短縮**
数百、数千点の商品情報をExcelやGoogleスプレッドシートで一気に編集し、数クリックでアップロードできます。
一つずつ管理画面で入力するのに比べ、作業時間を数十分の一、数百分の一に短縮することも可能です。
2. **入力ミスの防止と品質の均一化**
手作業では避けられない価格の入力ミスや、商品説明の表記ゆれなどを防げます。
CSVファイル上でコピー&ペーストや置換機能を活用すれば、全商品の情報を正確かつ均一に保つことができます。
3. **大量データの管理・棚卸しの効率化**
既存の商品データをCSVで一括エクスポート(出力)すれば、在庫数や価格のチェック、商品説明の見直しといった棚卸し作業も簡単です。
ファイルとしてデータを保管できるため、バックアップとしても役立ちます。
このように、Shopify運営においてCSVを使いこなすことは、もはや必須スキルと言えるでしょう。
【事前準備】ShopifyのCSVインポートを失敗しないための3つのポイント
ShopifyのCSVインポートで失敗する原因のほとんどは、実は作業前の準備不足にあります。
いきなりファイルをアップロードするのではなく、まずは以下の3つのポイントを必ず押さえてください。
これを徹底するだけで、エラーの発生率を劇的に下げることができます。
1. Shopify公式のサンプルCSVファイルをダウンロードする
最も安全で確実な方法は、Shopifyが用意している公式のサンプルCSVファイルをベースに作業することです。
ゼロから自分でファイルを作成すると、必須の列(ヘッダー)が漏れていたり、列の順番を間違えたりする原因になります。
サンプルファイルは、Shopify管理画面の「商品管理」ページから「インポート」ボタンをクリックすると表示されるポップアップ画面内にあるリンクからダウンロードできます。
このファイルを元に、自社の商品情報を入力・編集していきましょう。
2. ファイルは必ず「UTF-8」形式で保存する(文字化け対策)
CSVインポートで最も頻発するエラーが「文字化け」です。
これは、ファイルの文字エンコーディング(文字の保存形式)が原因で起こります。
Shopifyは、世界中の言語に対応できる国際標準の「UTF-8」という形式を要求します。
しかし、特にWindows版のMicrosoft Excelで普通にCSVファイルを保存すると、「Shift_JIS」という古い日本語専用の形式で保存されてしまいがちです。
ファイルを保存する際は、必ずファイルの種類で「CSV UTF-8 (コンマ区切り)(*.csv)」を選択してください。
この一手間が、文字化けによる手戻りを防ぐための鍵となります。
3. まずは数件のテストデータで試す
いきなり全商品を登録するのは非常に危険です。
もしファイルに間違いがあった場合、何百もの商品データが誤った情報で登録されたり、最悪の場合、既存のデータを壊してしまったりする可能性があります。
まずはサンプルCSVファイルに2〜3件だけ商品情報を入力し、テストデータとしてインポートしてみましょう。
このテストが問題なく成功することを確認してから、全商品のデータを用意して本番のインポートを行うのが、安全で確実な進め方です。
Excel vs Googleスプレッドシート、CSV編集はどっちがおすすめ? CSVファイルの編集にはExcelを使う方が多いですが、文字化け対策の観点からは「Googleスプレッドシート」の利用を強くおすすめします。 Googleスプレッドシートは、標準でUTF-8形式を扱っているため、ファイルをダウンロードする際に特別な設定をしなくても文字化けが起こりにくいという大きなメリットがあります。 Excelで「CSV UTF-8」形式を選んで保存したにもかかわらず、なぜか文字化けが直らない…という場合は、一度そのファイルをGoogleスプレッドシートにインポートし、そこからCSV形式でエクスポートし直すと解決することが多いです。 CSVの扱いに慣れていないうちは、Googleスプレッドシートをメインで使うとスムーズでしょう。 |
Shopify商品CSVの主要項目と必須項目を解説
Shopifyの商品CSVファイルには多くの項目(列)がありますが、すべてを埋める必要はありません。
ここでは、最低限必要な項目と、覚えておくと便利な主要な項目について解説します。
ちなみに、「shopify cvs」と間違えて検索されることがありますが、正しくは「csv」です。
これだけは必須!最重要の2項目
商品を登録するために、最低限以下の2つの項目は必ず入力する必要があります。
-
Handle
各商品を一意に識別するためのIDのようなものです。ストア内で重複することはできず、半角英数字とハイフンのみが使えます。このHandleは商品のURL(例: `your-store.com/products/t-shirt-red`)の一部にもなるため、非常に重要です。一度設定するとURLに影響するため、後からの変更は推奨されません。 -
Title
顧客に表示される商品名です。例えば「オーガニックコットンTシャツ」のように、分かりやすい名前を入力します。
この2つさえ入力されていれば、商品はShopifyに登録されます。
覚えておくと便利な主要項目
実際の商品登録では、以下の項目も使うことがほとんどです。
これらの項目を使いこなすことで、詳細な商品ページを作成できます。
列名(ヘッダー) | 内容 | 入力例 |
---|---|---|
Body (HTML) | 商品の説明文。HTMLタグが使えます。 |
|
Vendor | 商品の販売元やブランド名。 | オリジナルブランドA |
Type | 商品のタイプ(カテゴリ)。 | トップス |
Tags | 商品を分類するためのタグ。カンマ区切りで複数指定可能。 | Tシャツ, 夏物, セール |
Variant Price | 商品の販売価格。 | 2980 |
Variant SKU | 在庫管理用の商品コード(SKU)。 | TS-001-WH-S |
Variant Inventory Qty | 在庫数。 | 100 |
ShopifyのCSVで使われる項目は他にもたくさんあります。
詳細はShopifyの公式ヘルプセンターで確認することをおすすめします。
【実践】ShopifyへCSVで商品を一括登録する4ステップ
それでは、実際にShopifyへCSVファイルを使って商品を一括登録する手順を4つのステップで見ていきましょう。
事前準備が完了していれば、作業自体はとてもシンプルです。
ステップ1. CSVファイルに商品情報を入力する
まず、事前準備でダウンロードしたShopify公式のサンプルCSVファイルを、ExcelやGoogleスプレッドシートで開きます。
サンプルの行を参考に、登録したい商品情報を一行ずつ入力していきます。
HandleやTitleなどの必須項目を忘れずに入力しましょう。
入力が終わったら、ファイル形式が「CSV UTF-8」になっていることを再度確認して保存します。
ステップ2. Shopify管理画面から商品をインポートする
次に、Shopifyの管理画面にログインします。
左側のメニューから「商品管理」をクリックし、商品一覧ページの上部にある「インポート」ボタンを押します。
「商品をCSVファイルでインポートする」というポップアップが表示されたら、ファイル選択エリアに先ほど作成したCSVファイルをドラッグ&ドロップするか、「ファイルを追加する」ボタンから選択してアップロードします。
ステップ3. プレビューでマッピングを確認し、上書き設定を選択する
ファイルをアップロードすると、インポートのプレビュー画面が表示されます。
ここで、CSVの列(ヘッダー)とShopifyの商品項目が正しく紐づけられているか(マッピングされているか)を確認します。
そして、この画面で非常に重要なのが「同じハンドルを持つ既存の商品を上書きする」というチェックボックスです。
- 新規登録の場合:チェックはどちらでも問題ありませんが、念のため外しておくのが安全です。
- 既存商品の情報を更新する場合:必ずこのボックスにチェックを入れてください。チェックを入れないと、既存の商品は更新されず、インポートがスキップされてしまいます。
意図しないデータの上書きを防ぐため、この設定は慎重に確認しましょう。
ステップ4. インポートを実行し結果を確認する
プレビューと設定の確認が終わったら、「インポート」ボタンをクリックします。
商品の件数によりますが、しばらくすると処理が完了し、登録したメールアドレスにインポート結果の通知が届きます。
メールにエラーが記載されていないかを確認し、Shopifyの「商品管理」ページで商品が正しく登録されているかを実際に見てみましょう。
これで、ShopifyへのCSVを使った商品の一括登録は完了です。
【応用編】CSVを使った高度な商品管理テクニック
基本的な商品登録ができるようになったら、次はもう少し応用的なテクニックに挑戦してみましょう。
バリエーションや画像登録、既存商品の一括更新など、これらをマスターすればShopify運営がさらに効率化します。
1. バリエーション(サイズ・色など)がある商品の登録方法
Tシャツのサイズ(S/M/L)や色(白/黒/赤)のように、1つの商品に複数のバリエーションがある場合、CSVの書き方が少し特殊になります。
ポイントは、同じ「Handle」の商品を複数行にわたって記述することです。
- 最初の行に、親となる商品の基本情報(Title, Body (HTML)など)をすべて入力します。
- 2行目以降は、Handleだけを同じものにし、バリエーション情報(Variant Price, Variant SKU, Option1 Valueなど)のみを入力します。Titleなどの基本情報は空欄でOKです。
例えば、SサイズとMサイズのTシャツを登録する場合、CSVファイルは2行にわたりますが、Handleはどちらも同じ「t-shirt-basic」となります。
こうすることで、Shopifyはこれらを1つの商品のバリエーションとして認識してくれます。
2. 複数画像をCSVで一括登録する方法
商品画像をCSVで一括登録することも可能です。
これには少し準備が必要で、まず登録したい画像を事前にShopifyにアップロードしておく必要があります。
管理画面の「設定」→「ファイル」から画像をアップロードすると、各画像に一意のURLが発行されます。
そのURLを、CSVファイルの「Image Src」という列に貼り付けます。
複数の画像を登録したい場合は、バリエーション登録と同様に、同じHandleの行を画像の数だけ追加し、「Image Src」列にそれぞれの画像URLを入力していきます。
この方法を使えば、商品と画像を一つひとつ手動で紐づける手間が省け、大幅な時間短縮になります。
3. 既存の商品情報をCSVで一括更新する方法
セールのために全商品の価格を10%オフにしたり、商品説明文を一部修正したりする場合、CSVでの一括更新が非常に便利です。
安全に更新を行うための手順は以下の通りです。
- まず、Shopify管理画面の「商品管理」から、更新対象の商品をCSVファイルとして「エクスポート」します。これが現在のデータのバックアップになります。
- エクスポートしたCSVファイルを開き、価格や商品説明など、変更したい箇所の情報だけを修正します。このとき、キーとなる「Handle」は絶対に変更しないでください。
- 修正したCSVファイルを、インポート画面からアップロードします。その際、「同じハンドルを持つ既存の商品を上書きする」のチェックボックスに必ずチェックを入れます。
この手順を踏むことで、必要な情報だけを安全かつ効率的に一括更新できます。
ShopifyのCSVインポートでよくあるエラーと解決策
どんなに注意していても、CSVインポートではエラーが起こることがあります。
しかし、エラーメッセージの意味が分かれば、落ち着いて対処できます。
ここでは、代表的なエラーとその解決策を紹介します。
エラー例1. 「Validation failed: Title can't be blank」
原因:このエラーは「検証に失敗しました:Title(商品名)を空にすることはできません」という意味です。
必須項目である「Title」列が空欄の行がある場合に発生します。
解決策:インポート結果のメールには、エラーが発生した行番号が記載されています。
CSVファイルを開き、該当する行の「Title」列に商品名が正しく入力されているか確認し、修正してください。
エラー例2. 「Invalid CSV header: missing headers」
原因:「無効なCSVヘッダーです:ヘッダーがありません」という意味です。
これは、CSVファイルの1行目にあるべきヘッダー行が正しくないか、欠けている場合に発生します。
解決策:Shopify公式のサンプルCSVファイルと比較して、ヘッダー行のスペルミスや不足がないかを確認してください。
意図せず1行目を削除してしまっていないかもチェックしましょう。
エラー例3. 文字化けがどうしても直らない場合のチェックリスト
原因:「UTF-8」で保存したはずなのに文字化けが起こる場合、他の要因が隠れている可能性があります。
解決策:以下の項目を順番にチェックしてみてください。
- 本当に「UTF-8」で保存されていますか?:Excelで保存する際に「CSV (コンマ区切り) (*.csv)」ではなく、必ず「CSV UTF-8 (コンマ区切り) (*.csv)」を選んでいるか再確認してください。
- BOM付きUTF-8になっていませんか?:一部のテキストエディタでは「BOM付きUTF-8」という形式で保存されることがあります。Shopifyは「BOMなしUTF-8」を推奨しているため、メモ帳や他のエディタで開き、「BOMなしUTF-8」で保存し直してみてください。
- Googleスプレッドシートを試しましたか?:前述のコラムでも紹介した通り、CSVファイルを一度Googleスプレッドシートに読み込ませ、そこから再度CSVとしてエクスポートすると、文字コードの問題が解決することが多いです。
これらのエラー対処法を知っておけば、トラブルが発生しても冷静に対応できるようになります。
CSVをマスターしてShopify運営を次のレベルへ
この記事では、Shopifyの商品登録を劇的に効率化するCSVの活用法について、失敗しないための準備から応用テクニック、エラー解決策までを網羅的に解説しました。
もう一度、重要なワークフローを振り返ってみましょう。
- 公式サンプルをダウンロードする。
- ファイルは必ず「UTF-8」で保存する。
- 少数のテストデータで試してから本番に臨む。
この流れを徹底するだけで、あなたはもうCSVの扱いに戸惑うことはありません。
CSVを使いこなすことは、単に作業時間を短縮するだけではありません。
商品登録のような単純作業から解放されることで、売上を伸ばすための分析やマーケティング施策の立案といった、より創造的で価値の高い業務に時間とエネルギーを注ぐことができるようになります。
さらに高度なデータ管理や定期的な自動更新を行いたい場合は、「Matrixify」のような専門のShopifyアプリを活用することも有効な選択肢です。
まずはこの記事で学んだ基本を実践し、Shopifyストア運営を次のレベルへと引き上げてください。
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