ディレクター兼デザイナーとして身長151cmのインフルエンサー・りぃを迎え、2020年に誕生したアパレルブランド『nairo』。
小柄な体型でも楽しめるファッションを提案し、若い世代のユーザーから支持を獲得する注目のアパレルブランドだ。
ブランドの拡大に伴い、もともと使っていたプラットフォームからTUNAベースのShopifyに移行した結果、移行前後で売上200%超えを達成。
Shopifyのアプリ機能を活かした効果的な『LINE通知』を取り入れたことにより、以前に比べてユーザーからの反応がガラリと変わったという。
今回は、『nairo』を運営するgf.X株式会社の代表取締役社長・杉山氏と、ECサイト運営を担当する内海氏にお話を伺った。
── 以前は別のECプラットホームを使っていたとお伺いしたのですが、Shopifyへ移行するきっかけなどがあったのでしょうか?
杉山:最初はなるべく初期投資を抑えようということで、簡易でコストのかからない別のパッケージサービスを使っていたんです。ただ、それだと運営しているうちに色々な課題が生まれてきまして・・・。
まず1つが、サイト内の『カスタマイズの自由度の低さ』ですね。インフルエンサーを使ったブランドなので、ブランドの世界観を表現するためにも商品ページにはこだわりたいという想いがあり。いろんなシチュエーションのカットや素材感の分かる写真を豊富に入れたかったのですが、以前のプラットフォームでは商品ページに掲載できる写真の枚数に制限があって、毎回足りないという状況になっていました。それぞれのカラーバリエーション分を入れるとすぐ制限数を超えてしまう、みたいな。
── カスタマイズの制限で、思うようにブランディングできない部分があったのですね。
杉山:そうなんです。動画の挿入もできなかったですし、商品の特徴を伝えるにしても決められたフォーマットでしか表現できなかったり、色々な制限の部分で悩むことが多かったです。
2つ目が、『アクセス負荷』の部分ですね。『nairo』では毎月月初と月末に“予約会”というものを6日間ほど開いて、次のシーズンのお洋服を受注販売しているんです。その開始と終了のタイミングって一気にアクセスが集中するんですが、そこでもうサイトに繋がりません、というようなことが起こったりしていました。
そして何より困っていたのが、『決済システム』ですね。予約会では来シーズンのお洋服を受注販売しているので、受注してから実際の商品お届けまで1〜2か月ぐらいズレがあるんです。それが以前のプラットフォームでは、商品が出荷されないと決済が完了しないというシステムになっていまして。
内海:一定の期間中に決済が完了できない状態だと、お客様のお支払い自体がキャンセルされてしまうという仕様でしたので『nairo』の販売方式とプラットフォームの仕組みが完全に合ってなかったんです。
また、納品までの期間が長いこともあってお客様とのやり取りが発生するのですが、連絡手段がメールしかなく・・・。こちらからメールをお送りしても、メールが届かなかったり、気づいていただけなかったり。
── 『決済システム』や『お客様との連絡がつかない』といった部分は売上に直結してくる部分だと思うので、かなりクリティカルな課題ですよね。
杉山:そうなんです。現実的に『お客様と連絡が取れない』といったことが多く発生していました。Shopifyに移行してからは注文・発送をメールだけでなく、LINEで自動で通知できるようになりました。LINEアカウントを連携されてない方にも、電話番号をもとに通知できるようになっています。メールでお知らせしただけでは不十分だったところを、しっかりLINEでフォローできている形ですね。
他にもサイト内に『チャネルトーク』というチャットボットのアプリを設置して、今は7割程度チャットにてお問い合わせをいただくという形に変わりました。お客様と連絡を取る手段というのが格段に増えて、今はコミュニケーションが取れないというようなトラブルはほとんどありません。売上もShopifyへの移行前後で比較すると、大体『200%』超えになっています。
── 移行前後で、売上200%超えはすごいですね!その他にも売上アップに繋がるような施策などを行っているのでしょうか?
杉山:現実的にLINE経由での流入も増えてますし、特に『Back in Stock: Restock Alerts』というアプリが貢献してくれていますね。LINEで再入荷の通知をしてくれるアプリなのですが、めちゃくちゃユーザーからの反応がいいですね。
内海:あとは『Stamped.io』というレビューアプリを使っているのですが、以前と比較してレビューの集まり具合が本当に違うんです。商品発送と連携されていて、到着したタイミングでLINEからレビューをお願いする通知システムなのですが、実際に着用してみてお客様の熱が冷めないうちにレビューを促せるんですよね。
多数のレビューをいただくので、まとめて自社のSNSでレビューまとめみたいなものを紹介すると、『すごい参考になります!』といった好評なお声もいただいています。
内容自体も変わってきていて、以前はどちらかというか商品に対してのネガティブな内容のレビューが多かったのですが、今は『この商品の良さを他の方にも伝えたい』といったレビューをいただくことが格段に増えているなと感じています。
── いろいろなShopifyアプリを活用して、ユーザーとのコミュニケーションを取ることが売上貢献に繋がっているのですね。
内海:先ほどご紹介させていただいたアプリに関しても、私たちが1つ1つ指定したのではなく、TUNAの構築担当スタッフから『この機能を使いたいのであれば、このアプリですよ』という提案があったんです。ご提案のまま使わせていただいて大正解だったな、と思っています。
杉山:TUNAさんにはアプリ含め利便性を優先したいろんな提案をしていただいたのですが、デザイン面でのアドバイスも大変参考になっています。弊社から新しくこれをやりたいみたいな相談をさせていただいたときに、今のブランド規模だったら違う方法がいい、もっと拡大した時に対応していきましょう、といった中長期的な視線で的確なアドバイスをいただけるんですよね。おかげで構築後からの改修などがほぼなく、非常に洗練されたサイトに仕上がっているなと感じています。
【nairo】
身長151cmのインフルエンサー・りぃをディレクター兼デザイナーとして、2020年に誕生したアパレルブランド。身長の低い小柄な方から長身の方まで綺麗に着ることができ、少ない色使いでもお洒落に見える「シンプルなのに、どこかお洒落」をテーマとした洋服を提案しています。
公式オンラインストア:https://nairo.jp/
<gf.X株式会社>
本社所在地:東京都港区高輪3-12-8
代表者 :代表取締役社長 杉山 太士
Webサイト:https://www.g-f.co.jp/